異文化間交流プログラム
このページは、ダイバーシティ・マイスター養成講座の「異文化間交流プログラム」の科目についてご紹介しています
異文化間交流プログラムとは
介護の現場では外国人介護スタッフが、保育の現場では外国ルーツの子どもとその保護者が増えてきています。
文化・習慣・価値観・コミュニケーションのあり方が違う中で、現場スタッフの意識の中に少しずつ違和感が蓄積し、それがすれ違いやトラブル、誤解を生んでいくということはありませんか?
そうした課題や状況を紐解きながら、コミュニケーション方法や協働の仕方、既存の園のルールをどうよりよく変えていくか、ということを考えていくためのプログラムです。
■異文化間交流とは・・・・
本養成講座においては、出身国が異なることによる文化や生活習慣の違いだけでなく、一人ひとりの「個性」の違いも含めて「異文化間交流」を考えます。同じ日本人同士であっても、それぞれの持つ背景や考え方等に違いがあります。人は、多様性を活かしあいながら関わり合っていくことができるという考えのもと、職員同士・職員と利用者(※)同士に違いがあることをポジティブにとらえて、ともに働きながら互いの強みを活かしあえたり、援助関係において適切なサポートができるような関係性を築いていくことを「異文化間交流」の目的としています。
※利用者:介護においては要介護者、保育においては子ども・保護者
【保育関係者のかたへ】
多くの保育所では、保育所保育指針における
「文化や伝統に親しむ際には、正月や節句など我が国の伝統的な行事、国歌、唱歌、わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しんだり、異なる文化に触れる活動に親しんだりすることを通じて、社会とのつながりの意識や国際理解の意識の芽生えなどが養われるようにすること。」(※1)
をもとに異文化交流活動に取り組まれていることと思います。
本養成講座における「異文化間交流」は上記の趣旨ではなく、保育所保育指針の「子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。」(※1)「外国籍家庭など、特別な配慮を必要とする家庭の場合には、状況等に応じて個別の支援を行うよう努めること。」(※2)
に資するための「異文化間交流」プログラムであることをご理解ください。
※1 保育所保育指針 第2章 保育の内容 3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容 (2)ねらい及び内容 ウ 身近な環境と関わりに関する領域「環境」
※2 保育所保育指針 第2章 保育の内容 4 保育の実施に関して留意すべき事項 (1)保育全般に関わる配慮事項
※3 保育所保育指針 第4章 子育て支援 2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援 (2)保護者の状況に配慮した個別の支援
異文化間交流プログラム 各科目のご紹介
3つの科目で構成されており、その中にそれぞれ関連するテーマが設定されています。
介護現場の事例に即した「介護編」、保育現場の事例に即した「保育編」と分けて動画教材を制作しているので、ご自身の専門分野における身近な事例として学びやすいものになっています。
異文化間交流理解
【異文化間交流理解】1.外国人職員・外国人の子どもの背景理解
👉こんな人にオススメ
- 日本で生活している・働いている外国人がどのように感じているか知りたい
- 自分が外国人に対してもっている誤解や偏見に気づきたい
- (介護や保育の現場で接する)外国人に対してどこまで配慮したらよいか悩んでいる
<この科目の概要>
■科目の目的
外国人職員や外国人の子ども・保護者の背景を理解し、自身の誤解や固定観念に気づく
■動画の内容
外国人介護職員、外国人保護者(保育園)5名の語り(日本にきた動機、生活や仕事、介護施設や保育園に望むこと)をもとに、外国人への配慮や「平等」「公正」とは何かについて考える
【異文化間交流理解】2.対話による異文化理解 介護編
👉こんな人にオススメ
- 外国人介護職員にどう対応したらよいかわからず悩んでいる
- 外国人職員と日本人職員との間の誤解やトラブルについて考えたい
- 外国人職員を受け入れるにあたってどのような課題があるのか知っておきたい
<この科目の概要>
■科目の目的
- 介護・保育の現場での事例をもとに、対話と相互理解により問題解決を図る視点を持つ
- 動画の内容
- 介護施設を舞台にしたドラマ形式
- 申し送りをめぐって、外国人介護職員と介護主任との間のすれ違い、葛藤を描く中で、相互理解のための対話の重要性を考える。
異文化間交流実践
【異文化交流実践】1.多文化共生の現場づくり 介護編
👉こんな人にオススメ
- 外国人介護職員のもっている知識や経験を仕事にいかして欲しい
- 外国人介護職員と地域とのかかわりや交流活動の事例を知りたい
- 外国人介護職員のモチベーションを高めたい
<この科目の概要>
■科目の目的
- 多文化の視点をいかした介護・保育の取り組みを学び、体験し、多文化共生の現場づくりを考える
■動画の内容
- 介護施設2か所の外国人職員、日本人職員のインタビューを中心にした動画
- 外国人介護職員の地域とのかかわり、社会貢献活動、異文化交流活動を通して、介護現場における多文化共生について考える。
- 付録:レクリエーション等に取り入れられる太極拳、指体操(アルゼンチン)を紹介
【異文化交流実践】1.多文化共生の現場づくり 保育編
👉こんな人にオススメ
- 多文化共生保育の先駆的な取り組みを知りたい
- 外国にルーツをもつ子どもの文化や言語を保育に取り入れたい
- 外国人保育者ともっとつながりたい、園の活動に参加してもらいたい
<この科目の概要>
■科目の目的
- 多文化の視点をいかした介護・保育の取り組みを学び、体験し、多文化共生の現場づくりを考える
■動画の内容
- 多文化共生保育に取り組む保育園園長のインタビュー、多文化共生子育てサークルの主宰者、外国人保護者のインタビューを中心にした動画
- 保育の中に多文化の視点を取り入れている取り組みや外国人保護者の声から、保育現場の多文化共生について考える。
- ・付録:レクリエーション等に取り入れられる太極拳、手遊び(アルゼンチン)を紹介
【異文化間交流実践】2.社会資源・環境をどう活用するか 介護編
👉こんな人にオススメ
- 施設職員だけで外国人職員の日本語教育や生活支援をすることに限界を感じている。
- 行政、専門機関、地域団体からどのようなサポートを受けられるのか知りたい
- 外国人職員を受け入れるにあたってどのような課題があるのか知っておきたい。
<この科目の概要>
■科目の目的
- 介護・保育の現場での事例をもとに、社会資源・環境を異文化交流に活用する視点をもつ
■動画の内容
- 介護施設を舞台にしたドラマ形式
外国人介護職員のサポート(介護指導、生活支援、日本語教育)を担当することになった介護職員の葛藤を描く中で、地域の社会資源を活用することを考える。
【異文化間交流実践】2.社会資源・環境をどう活用するか 保育編
👉こんな人にオススメ
- 言葉や習慣の問題で外国人保護者への対応に困っている。
- 保育職員だけで外国人保護者に対応することに限界を感じている。
- 行政、専門機関、地域団体からどのようなサポートを受けられるのか知りたい
<この科目の概要>
■科目の目的
- 介護・保育の現場での事例をもとに、社会資源・環境を異文化交流に活用する視点をもつ
■動画の内容
- 保育園を舞台にしたドラマ形式
- 両親ともに外国人の児童を初めて受け入れることになった保育園の園長、保育士、栄養士のとまどいを描く中で、地域の社会資源を活用することを考える。
コミュニケーション
【コミュニケーション】1.やさしい日本語
👉こんな人にオススメ
- 外国人職員・保護者との日本語でのコミュニケーションがうまくいかず悩んでいる
- 「やさしい日本語」について興味がある、学んでみたい
- 外国人職員・保護者にもっとわかりやすく伝えたい、伝える方法を知りたい
<この科目の概要>
■科目の目的
- 異文化コミュニケーション方法として、「やさしい日本語」の考え方、基本的な知識と技術を学ぶ
■動画の内容
- 日本語の先生と生徒(日本人・外国人)との会話をもとにしながら、やさしい日本語について解説をする。
- やさしい日本語の基本的な考え方「ハサミの法則」「バラバラはやさしくない」「わかりやすい言葉に言いかえてみよう」について解説。
【コミュニケーション】2.ICTの活用実習
👉こんな人にオススメ
- 外国人職員・保護者との日本語でのコミュニケーションがうまくいかず悩んでいる
- 翻訳機が職場にあるが使っていない。介護や保育の現場で使えるのか疑問。
- 外国人職員・保護者とのコミュニケーションに翻訳機を使ってみたい、使い方がわからない
<この科目の概要>
■科目の目的
- 異文化コミュニケーションにICT(翻訳アプリ)を活用するための、基本的な知識と技術、使用する際の留意点を学ぶ
■動画の内容
- 外国人介護職員・外国人保護者(保育園)とのコミュニケーションにおける、ICTの有効性や注意点について解説。
- 実際に翻訳アプリや翻訳機を使用している介護施設・保育園の声(導入のきっかけや使用してみての感想)も紹介。
受講者の声
具体例が分かり、どのような配慮をしたらいいのかなども知ることができました。
習慣の違いなど、感覚が違うから(外国人スタッフと)一緒に働くのは大変なのかと思っていましたが、お互いに理解する気持ちで接することが大切だということが分かりました。
文化的な背景が違う人々と関わっていく事で、気づくことや分かることがあると教えて頂き、今後外国籍の人との交流を深め、沢山の学びを得たいと思いました。
伝える事、伝わる事の楽しさを感じた。新しい発見や、より良いものが見つかると思いました。
自分自身が会ったことのある人たちだけをみて、異文化を理解したと思わず、もっといろいろな文化的背景を持った人がいることに気づけました。
翻訳機が積極的に交流するひとつのきっかけになることを理解できました。
相手の文化には、自分達の知らないことが様々にあると思いました。それらを積極的に対話しながら知っていこうと思いました。
教育プログラム・動画教材・テキスト(ワークブック)等の取り扱いについて
- 本講座の教育プログラム及びHPに掲載されているeラーニング動画教材・テキスト(ワークブック)は、文部科学省の委託研究事業(分野横断型リカレント教育プログラムの開発事業・「介護・保育分野における異文化間異世代間の交流促進のための分野横断型リカレント教育プログラムの開発」 2019-2021年度)により、学校法人敬心学園が開発・制作したものです。
- 制作物の著作権及び所有権は文部科学省に帰属します。
- 本HP掲載の各コンテンツは普及啓発のために公開しており、自由に使用していただいて差し支えありませんが、無断での改編はかたくお断りいたします。
- また、敬心学園が主催する講座以外で、本HP掲載のコンテンツを使用して受講料などを徴収して研修等を実施する場合は、事前に必ず弊センターまでご相談ください。
- 本HP掲載のコンテンツを使用した研修等を実施された場合、プログラムの普及のために本HPでも活用事例として紹介させていただきます。研修の様子などを聞かせていただくことがありますので、ご協力いただけますと幸いです。
【学校法人敬心学園 職業教育研究開発センター】
TEL 03-3200-9074 Mail: vetrdi-kensyu@keishin-group.jp